ついに梅雨が終わり、春風学寮は大収穫の時期となった。写真は、春風学寮の菜園で7月17日に採れた野菜の写真だ。
しかし、大収穫は野菜だけではない。文化的にも大収穫がもたらされた。その大収穫とは、毎週のように行われる学術座談会と読書会である。この一月余りの間に行われた学術座談会と読書会のテーマを羅列すると以下の通り。「『走れ、メロス』再読」、「赦しについて」、「法学と神学の類似性」、「二項対立的思考から抜け落ちるもの」、「『源氏物語』の注釈から見えてくる紫式部の文学空間」、「ショーペンハウアーの『読書について』を読む」、「ポアンカレ―の『科学と仮説』を読む」、「村上陽一郎の『科学史・科学哲学入門』を読む」。
いずれの話し合いも、真理を追究しようという真摯なものであった。ときには目をみはるばかりの高みに達することもあった。それを具体的に紹介できないのは実に残念なことである。しかし何よりも重要なことは、これらのすべてをやろうと言い出したのは、寮生たち自身であるということである。寮長の私がやれと言った覚えは全くないし、やるように促したことすらない。
これこそ春風学寮の夏の大収穫ではないか。秋にはきっとこれ以上の収穫があることだろう。
寮長 小舘美彦