所変われば品変わる。人が変われば寮も変わる。というわけで、新入寮生を迎えた春風学寮は一変した感がる。その最たる例が、アカデミックサロン(学術座談会)の開始である。
新入寮生の一人が日曜集会の後でみんなに提案した。「僕は話すのも人の話を聞くのも苦手だ。だから、そうしたことの訓練ができるように学術座談会を週に一度開催してはどうか。毎回担当者を決めて自分が学んだことや体験したことについて学術的に発表してもらう。それについてみんなで話し合う。そうすれば全員のコミュニケーション能力が上がるのではないか。」これは実に素晴らしい提案だ。しかし他の寮生たちは果たしてこれに同意するであろうか、と心配する私をよそに、満場一致でこの座談会の開始が決定されてしまった。なんという展開であろうか。
早速準備会が持たれ、どのような形で進めるかが話し合われた。そして毎回の担当者が決められた。この時にも驚くべき光景が見られた。担当者を擦り付け合うのではなく、数人が自発的に引き受けたのだ。
さて、これからどうなることか。この会が続いていけば、春風学寮は春風学術寮(アカデミア春風)となるかもしれない。