2021年09月21日

「新たなる出発」

 9月12日(日)、寮の活動が本格的に始まった。その開始を象徴するかのように、寮の有志が春風農園を造った。高々二坪ほどの菜園を農園とは、いささか大げさだが、そこには秋の新しい出発に対する大きな期待が込められていよう。

 これを機に、春から夏にかけての菜園の収穫を報告しよう。ゴーヤ39本(プランター苗4本から)、キュウリ21本(プランター苗2本から)、ミニトマト110個(菜園苗1本から)、イエロートマト94個(菜園苗1本から)、トマト34個(菜園苗3本から)。以上は成功した例。他方以下は失敗した例。ピーマン14個(菜園苗3本から)、ナス6本(プランター苗2本から)、米ナス2個(プランター苗1本から)。

 この成否を分けたものは何か。作物の背の高さであろう。寮は基本的に日当たりが悪い。木が多く茂っているからだ。そのような中でもゴーヤやキュウリやトマトが成功したのは、これらの背が高く、日差しを多く浴びることができたからである。他方ナスやピーマンの背は高くない。それゆえに日差しを多く浴びることができず、多くの収穫をもたらせなかったのである。

 人間も同じである。太陽の方を向いて背を伸ばしていけば、たとえ日当たりの悪いところにいようともたくさんの実をもたらすことができる。しかし、太陽の方を向いて背を伸ばしていくことができないならば、日陰に負けて収穫も少なくなってしまう。幸い人間は、野菜と違って、意志次第で太陽に向かって背を伸ばしていくことができる。寮生にはぜひとも太陽に向かってぐんぐんと背を伸ばし、太陽の光をいっぱいに浴びてほしい。

 人間にとっての太陽とは何か。もちろん真理であり、神であり、神を体現するイエス・キリストである。


2021年9月19日(日)寮長 小舘美彦

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posted by 春風学寮 at 10:44| 日記

2021年09月10日

「真夏の夜の夢」

寮生の一人がバレエ・ダンサーをしていて、『白鳥の湖』の王子役と『レミゼラブル』の宿屋の主人役をやると言うので、寮に残っている寮生たちと見に行った。コロナ下ということで観客は家族や関係者だけだったが、その内容は実に素晴らしいものであった。バレエ・ダンサーの彼は、学業よりもバレエを優先するプロ志望の学生で、現在も出演料をちゃんともらっている。それだけあって、驚くほど踊りがうまく、素人目にもその優秀さが解った。

 何よりも私たちを驚かせたのは、『白鳥の湖』の王子役の時の彼と『レミゼラブル』の宿屋の主人役の時の彼との違いであった。王子の時の彼は、優美にして繊細、大胆にして華麗、まさしく王子であった。ところが宿屋の主人の時の彼は下品そのもの、宿屋の客に娼婦を紹介し、たんまりと金をせしめてにっこりとほくそ笑む。何という落差。これがあの王子を踊っていたのと同じ人物かと目を疑うほどであった。

 後日、彼に聞いてみた。「宿屋の主人役、すごくうまかったねえ。ひょっとするとあれが君の地なの?」すると彼は、否定せずに、「どうかなあ」と笑っていた。その笑顔を見ながら私は思った。「彼はもう夢の世界に生き、夢を売るプロなのだ。これは大物になる」と。


 2021年9月9日

寮長 小舘美彦

posted by 春風学寮 at 09:47| 日記