「コロナウィルスで寮はさぞかしたいへんでしょう」とねぎらって下さる方が多い。確かにたいへんである。しかし、対策をきちんと立て、それを実行していくならば、さしてたいへんではない。いやそれどころか、コロナ禍のもとにあればこそ、学生寮の圧倒的強みが現れてくる。その強みとは何か。
先ずあげられるのは、ストレスの少なさである。寮は一人暮らしのアパートよりも断然広い。だから運動したり、楽器を演奏したりするところがたくさんある。加えて寮内には、話ができる相手がたくさんいる。三蜜を避けさえすれば、いくらでも交流を楽しめる。いや、交流は深まるとさえ言ってよい。
次にあげるべきは、オンライン授業の助け合いである。オンライン授業ではたくさんの課題が出る。その課題をこなすのは容易ではない。加えて最近の若者の中には、パソコンを苦手とする者が多い。通信のほとんどをスマホに頼るからだ。そのような学生にとってオンライン授業は、鬼門である。ところが寮にいると、これらの困難を乗り越えることができる。他の寮生と協力することができるからだ。特に大学について何も知らない一年生にとっては、寮の先輩たちの助けは、途方もなく頼もしい。そういう助けのない一人暮らしの一年生たちは、一体どうなってしまっているのだろうか。
しかし何と言っても、最高なのは寮費の減免であろう。春風学寮は金儲けのためにやっている寮ではないので、経済的に困っている学生に対しては寮費を減免することができる。この姿勢のお陰で寮生たちはコロナの経済的打撃をあまり受けないですむ。
恐らく春風学寮は、人が想像するよりもはるかに災難に強い。弱そうなところに強みがあるのである。