2020年06月16日

「コロナ禍で現れた春風学寮の圧倒的強み」

「コロナウィルスで寮はさぞかしたいへんでしょう」とねぎらって下さる方が多い。確かにたいへんである。しかし、対策をきちんと立て、それを実行していくならば、さしてたいへんではない。いやそれどころか、コロナ禍のもとにあればこそ、学生寮の圧倒的強みが現れてくる。その強みとは何か。

 先ずあげられるのは、ストレスの少なさである。寮は一人暮らしのアパートよりも断然広い。だから運動したり、楽器を演奏したりするところがたくさんある。加えて寮内には、話ができる相手がたくさんいる。三蜜を避けさえすれば、いくらでも交流を楽しめる。いや、交流は深まるとさえ言ってよい。

 次にあげるべきは、オンライン授業の助け合いである。オンライン授業ではたくさんの課題が出る。その課題をこなすのは容易ではない。加えて最近の若者の中には、パソコンを苦手とする者が多い。通信のほとんどをスマホに頼るからだ。そのような学生にとってオンライン授業は、鬼門である。ところが寮にいると、これらの困難を乗り越えることができる。他の寮生と協力することができるからだ。特に大学について何も知らない一年生にとっては、寮の先輩たちの助けは、途方もなく頼もしい。そういう助けのない一人暮らしの一年生たちは、一体どうなってしまっているのだろうか。

 しかし何と言っても、最高なのは寮費の減免であろう。春風学寮は金儲けのためにやっている寮ではないので、経済的に困っている学生に対しては寮費を減免することができる。この姿勢のお陰で寮生たちはコロナの経済的打撃をあまり受けないですむ。

 恐らく春風学寮は、人が想像するよりもはるかに災難に強い。弱そうなところに強みがあるのである。

posted by 春風学寮 at 09:54| 日記

2020年06月01日

「誕生日のケーキ」

  先日、寮生の一人が誕生日をむかえたので、ささやかなバースデイパーティを開いた。そのときに、他の寮生の一人が彼のためにイチゴケーキとチョコレートケーキを作った。このこと自体驚くべきことだが、本当に驚くべきことはこの後に起こった。予定では、夜の8時に出来上がるはずだったケーキが何時になっても出来上がらない。いったい何が起こったのか。一時間、二時間待っても出来上がらない。かと言って、サプライズだから二階のキッチンに手伝いに行くわけにもいかない。そもそも手伝いに行っても他の寮生にはケーキの作り方などわからない。だから、みんなはひたすら待った。卓球をしたり、欅坂のライブ配信を聞いたりしてひたすら待った。中にはホールで寝転ぶ者もいた。こうして実に3時間半後、夜の11時半にケーキは出来上がった。ケーキを作った彼は申し訳なさそうにケーキを持って、入ってきた。

 その時のほかの寮生たちの反応はどうであったか。誰一人待たされたことに文句を言う者はいなかった。全員が何事もなかったかのように、彼を迎え、ろうそくの火を吹き消す儀が行われ、楽しそうにケーキを食べ始めた。そして作った寮生の努力を讃えた。いやはやなんとも格好がいい。心配していたのは寮長の私だけのようだ。なんとも面目ない。



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posted by 春風学寮 at 13:11| 日記